スピニング加工技術の基礎と異形断面成形への応用

〜 絞り、しごき、回転しごき加工技術と加工性、異形断面形状のためのNCプログラム作成と制御技術 〜

制御技術の進歩により従来難しかった異形断面成形や厚肉化が可能になったスピニング加工を応用するための講座

・高度化しているスピニング加工の最新技術を学び、熟練技術者の技能や経験から脱却した高精度加工へ応用しよう!

講師の言葉

第一部
 スピニングは旋盤状の回転工作機械の主軸にマンドレルと呼ばれる成形型をセットして、それに板状または管状のブランク(被加工材)を取付けて回転し、へらまたはローラーを押付けながらマンドレルと同じ形状の製品を得る塑性加工法であり、薄肉製品のスピニングはしばしばへら絞りとも呼ばれている。スピニングではあらゆる種類の回転対称形の製品の加工が可能であり、以前は家庭用什器、容器、照明器具、音響製品など比較的薄肉製品の多種少量生産に利用されていたが、最近では数値制御の自動機械で宇宙航空用、電気通信用、化学プラント用あるいは一般の機械部品への適用が増えてきており、なかでも自動車関連部品への適用の割合が急増し、これに伴って、製品も厚肉化してきており、加工機械も高剛性になってきている。
 本セミナーでは、スピニングの基本的な加工法など、スピニングの概要を紹介するとともに、熟練技術者の経験や技能から脱却するためのローラーパスプログラミングなどについて紹介する。

第二部
 回転する金属素材にローラ工具を押し付けて所定の形状に成形するスピニング加工は、従来、円形断面形状の金属製品の成形に用いられてきた。近年、制御技術の発達に伴い、楕円形、多角形、偏心などの異形断面形状が成形できるスピニング加工法が開発されている。
 本セミナーでは、製品形状を多様化しスピニング加工の用途を広げる異形断面形状のスピニング加工法を紹介する。加工力の制御により異形断面形状の金型にローラ工具を押し付けて間に挟まれた素材を金型形状に倣わせる力制御スピニング、数値制御でワークの回転角に同期してローラ工具を半径方向に往復運動させる同期スピニングという二つの加工法を中心として、加工のしくみ、板材あるいは管材からの様々な加工例、加工機の制御とプログラミングなどについて説明する。

セミナー詳細

開催日時
  • 2016年04月12日(火) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 加工・接着接合・材料
受講対象者 ・自動車、各種機械および関連企業における設計、生産技術等に関わる方 ・金属部品・製品の製造技術(宇宙航空、電気通信、化学プラント)および設計、特に板金・プレス加工など塑性加工に関わる方
予備知識 ・とくに必要ありません
修得知識 ・スピニングに関する基礎知識と最近の動向について修得できるとともに、スピニングが技能や経験から脱却できるポテンシャルを有した加工技術であることを理解することができる ・異形断面形状のスピニング加工により現状ではどのような形状が作れるか ・加工の手順とNCプログラム作成の概要
プログラム

第一部 スピニング加工技術の基礎

1.スピニングの概要
  (1). スピニングの基本加工法
  (2). スピニングの経済性
  (3). スピニングにおける加工性
  (4). スピニングにおける潤滑剤
  (5). スピニング製品の精度
  (6). スピニング製品の精度

2.絞りスピニング
  (1). 絞りスピニングにおける加工手順
  (2). 固定加工条件と流動加工条件(1)の選定
  (3). 流動加工条件(2)の選定
  (4). 円筒形以外の絞りスピニング

3.しごきスピニング
  (1). 固定加工条件の選定
  (2). 流動加工条件(1)の選定
  (3). 流動加工条件(2)の選定
  (4). しごきスピニングにおける加工性

4.回転しごき加工
  (1). 回転しごき加工の加工原理
  (2). 回転しごき加工における加工力
  (3). 回転しごき加工における加工条件と加工性

第二部 異形断面形状のスピニング加工技術

1.スピニング加工技術の概要

2.異形断面形状のスピニング加工の概要
  (1). 異形スピニング加工の従来技術
  (2). インクリメンタルフォーミングとの比較

3.力制御スピニングによる異形断面形状の成形
  (1). 力制御スピニングによる加工のしくみ
  (2). 力制御の構成方法
  (3). 力制御スピニングの加工例

4.同期スピニングによる異形断面形状の成形
  (1). 同期スピニングによる加工のしくみ
  (2). 板材の同期スピニングの加工例
  (3). 管材の同期スピニングの加工例

5.傾斜/湾曲スピニング
  (1). 同期スピニングによる傾斜/湾曲スピニング
  (2). 力制御スピニングによる傾斜/湾曲スピニング
  (3). 管材の傾斜/湾曲スピニング

6.同期絞りスピニングによる異形断面形状の成形
  (1). 同期絞りスピニングによる加工のしくみ
  (2). 工具軌道の計算方法
  (3). 同期絞りスピニングの加工例

7.スピニング加工機の設計と制御
  (1). 加工機の構成要素と制御方法
  (2). 設計例1:リニアモータを用いたスピニング加工機
  (3). 設計例2:パイプ成形用CNCスピニング加工機

8.異形断面形状のためのNCプログラム作成
  (1). NCプログラム作成に必要なデータ
  (2). 断面形状の計算方法
  (3). NCプログラミング支援ソフト

キーワード スピニング加工 へら絞り ローラー マンドレル 絞りスピニング しごきスピニング 回転しごきスピニング 異形断面形状
タグ 金属加工成形加工精密加工・組み立て工作機軸受け車載機器・部品
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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