治具設計の基礎と治具の効果的活用事例 〜演習付〜

〜 治具の目的と構成要素、治具設計の力学的基礎知識、事例・演習・講師の経験から学ぶ治具設計の勘所 〜

  • 治具の基礎から具体例を通して学び、実務に活かすための設計のポイントや注意点を身につける講座!
  • 製品設計や加工条件に合わせた外注品治具の適切な選定や、自社内での最適な治具設計および高品質・高精度加工技術に活かそう!

講師の言葉

 私たちが普段なにげなく使っている治工具、例えば、マシンバイスひとつとっても、締め付け力や加工熱による変形、加工誤差と締め付け力の関係など、高品位・高精度の加工を実現するためのヒントがたくさん見えてきます。
 この講習は生産現場で使われている治具に関する基礎知識を学習し、治工具の正しい使い方や治具設計における考え方を整理するものです。治工具は安易に考えられていますが、加工物の固定力による撓みや歪み、熱変形、加工応力と振動といった機械加工の精度に影響する要素を考えながら治具を見直すことにより、加工の品質向上を目指しましょう。
 本講習が治工具に関する知見を広げ、みなさまの創意工夫に繋がればと思います。

セミナー詳細

開催日時
  • 2016年06月28日(火) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 加工・接着接合・材料
受講対象者 ・機械加工の作業者や管理者、設備・治具の設計・改善・改造に携わる技術者、モノづくりにかかわる技術者全般が対象です。 ・講座では切削加工用の治具が多くの事例として出てきますが、切削治具に限らず、他の加工治具、組立治具、検査治具等の全般の技術者が対象です。
予備知識 簡単な機械工学用語の知識
修得知識 ・ジグ設計の経験がなくても汎用的な治工具の基礎や使い方を見直すことで治具設計の基本的な考え方やヒントを得られるよう分かりやすく解説します。 ・機械加工現場で起きる様々な誤差要素を考え、それらを考慮した治工具の正しい使い方や治具設計の考え方を習得できます。 ・実際の加工事例を見ながら治工具の特徴を活かした使い方や治具設計のヒントを学びます。
プログラム

1. 治具の基礎
  (1). ジグと治具と取り付け具
  (2). 治具の目的
  (3). 従来の治具の構成要素
  (4). 現在の治具の構成要素
  (5). 機械(生産設備)の構成
  (6). 機械を構成する最小単位=「作業ユニット」
  (7). 作業ユニットの基本構造
  (8). WT-MACS

2. ハンドタップ加工から見えてくる治工具の基礎
  (1). ハンドタップを真っ直ぐにたてるには?
  (2). 基準面
  (3). 基準面に垂直にするにはどこに注意したらよいか
  (4). 工作物はどうしたらよいか
  (5). 実際の加工を見ると
  (6). タップ加工における治具の要素

3. 治具設計における基礎知識
  (1). 位置決めと自由度(基準定めの基本的方法)
  (2). 拘束条件
  (3). 加工誤差
  (4). 撓み
  (5). 熱膨張
  (6). 機械精度

4. 治具設計の勘所
  (1). 治具設計のアイデア(事例紹介)
  ・治具の効果を決定する最も重要な要素が設計思想(アイディア)です。そのためには機械要素や機構の知識や知見が不可欠です。最適な治具設計をするための手法について多方面からの情報を治具設計に盛り込む方法について、いくつかの事例を紹介しながら説明します。
    a. 事例1:汎用フライス盤の長物加工(ツインバイスの設置方法)
    b. 事例2:三次元測定機による中性子鏡材の経時変化評価用治具
    c. 事例3:旋盤による薄肉パイプ加工
    d. 事例4:旋盤によるシムの加工
  (2). 治具設計の勘所
    最適な治具設計をするためには、現場の作業手順や環境などの情報が不可欠です。すべての機能を治具に盛り込むのではなく、人間が介在することによって失敗のすくない設計に盛り込む方法について、経験談を盛り込んで説明します。
    a. 治具の部品は作るより買うほうが安い
     ・治具を設計するときに安定した精度をもつ工業製品を活用することは原価削減のみならず再現性や運用経費削減にもつながります。
    b. よい装置や先輩が作り上げた治具から学ぶ
     ・私たちの周囲にある機械はまさに機械機構の教科書です。運動の変換機構の基本的事例であるリンクやカムなどの活用事例を学びましょう。
    c. 誤差配分を考える
     ・あらゆる工業製品、加工物に誤差は必ずあります。誤差要因を考え、コストを配慮して許容誤差を最適に配分することが大切です。
    d. 単純な形にこだわる
     ・単純な形は解析も実験も容易で検証しやすいという大きなメリットがあります。加工手順や段取りの回数なども考慮した設計が求められます。
    e. 現場作業を重視する
      ・現場作業の理解が浅いとよい治具設計はできません。現場作業の意見やフィードバックは機械・治具設計の様々なヒントがあります。

5. 治工具の使い方と治具設計のまとめ
  (1). 治工具の目的と機能
  (2). 治具設計の着想と実現のストーリー
  (3). 現場作業者との連携
  (4). アイディアの共有
  (5). 検査・試運転と評価
  (6). 量産現場の治具と単品加工(試作)の治具
  (7). 事例研究(超精密加工の現場から)

講師の著書を配布いたします

キーワード 治工具 治具設計 加工誤差 機械精度 誤差配分 基準面 位置決め 自由度 拘束条件 加工応力 撓み 熱膨張
タグ 治具
受講料 一般 (1名):50,600円(税込)
同時複数申込の場合(1名):45,100円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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