潤滑技術の基礎と潤滑剤の最適選定およびトラブル対策

〜 潤滑・トライボロジーの基礎、潤滑と摩擦特性の評価、潤滑油の最適選定、管理とトラブル対策 〜

  • 潤滑の基礎を学び、潤滑油の最適選定や機械・装置の効率的運転・製造に活かすための講座
  • 機械故障の主原因となる潤滑油の特性から管理、劣化診断を学び、機械の適切なトラブル対策や長寿命化に役立てよう!

講師の言葉

 今日、トライボロジーは産業活動を支える共通基盤技術(Generic Technology)の一つとして共有・認識され、その一翼を担う潤滑油(剤)の重要性は益々増している。潤滑油は、あらゆる生産機械・装置や自動車、航空機、鉄道車両などの円滑な運転・運行を、また家電、オーディオ機器、テーマパークの遊戯施設などでも、我々の日々の生活や活動での便利さ、楽しさ、豊かさを蔭ながら支えている必須な材料である。
 本セミナーでは機械・装置の運転を良好に保ち効率的な生産活動に資するべく、潤滑油に付与された性能・特性について、基本的特性から実用特性、使用上の要点などを全編に亘り、数値表やグラフ、図解、特性の計算式などを用いて分かり易く解説します。

セミナー詳細

開催日時
  • 2016年04月08日(金) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備加工・接着接合・材料
受講対象者 ・新しく機械設計、生産技術、機械・生産ラインの保全などに携わる方 ・潤滑油について技術知識を深めたい方 ・潤滑油の開発・研究にこれから携わる方、経験年数の浅い方 ・社内で潤滑油に関する教育を新しく担当される方 ・潤滑油に関する社内教育に代わって活用したい方
予備知識 ・特に必要ありません
修得知識 ・潤滑油の基本特性および実用特性に関して具体的に理解できる ・要求特性(機械の立場)と化学的特性(潤滑油性能)の関係が理解できる
プログラム

1.潤滑技術の基礎・トライボロジーの目的と役割
 (1).半世紀前にデビューした「トライボロジー(Tribology)」
 (2).摩擦、摩耗、潤滑の諸問題を技術問題から経済の枠組みへの大転換
   a.潤滑の適正化による経済効果の期待値

2.歴史にみる摩擦との闘い、および身近なところのトライボロジー

3.個体の接触と潤滑状態
 (1).個体間接触の形態と接触面積
 (2).摩擦の3態と潤滑形態、摩擦係数

4.トライボロジカルな問題とその解決に利用できる手段
 (1).トライボロジーの対象となる機械要素と部品の例
   a.さまざまなトライボシステム、基本要素
   b.自動車における主なトライボ要素、部品
 (2).トライボロジカルな表面損傷の例
 (3).トライボロジカルな問題の解決に利用できる手段
 (4).トライボロジカルな問題を解決する手段としての潤滑剤

5.潤滑油に期待する作用効果と潤滑油の種類、組成、特性
 (1).潤滑油剤に期待する作用効果
 (2).潤滑油の用途分類、種類
 (3).潤滑油の組成とその役割
 (4).トライボロジカルな問題を解決する手段としての潤滑剤の性能に関わる因子

6.潤滑油発展の歴史
 (1).日本の潤滑油消費量の歴史が語ること
 (2).基油精製法の進歩と変遷
 (3).添加剤の開発と進歩

7.潤滑状態と摩擦特性を評価する方法
 (1).各種機械の潤滑部分、トライボ要素
 (2).摩擦特性を評価する方法
   a.接触の三形態と各種試験形態の例
   b.潤滑性能モデル試験機に求められる事項
   c.摩擦・摩耗耗試験で考慮すべき諸因子
 (3).潤滑状態を表すパラメータとストライベック線図
   a.すべり軸受(動圧軸受)の運転状況と潤滑状態の関係(模式図)
   b.パラメータとその構成因子およびその物理的意味
   c.ストライベック線図における各種機械要素の潤滑状態
   d.潤滑状態とそれに関わる潤滑油剤の因子
   e.機械要素の運転における潤滑状態と形成潤滑膜の特性
 (4).弾性流体潤滑(EHL)の油膜厚計算式と構成・影響因子
   a.弾性流体潤滑の圧力分布と油膜形状
   b.油膜厚計算式とその構成因子
   c.油膜厚に及ぼす粘度および温度の影響比較

8.潤滑状態と摩擦特性の具体例 −ストライベック線図との関わりにおいて−
 (1).境界潤滑特性
 (2).境界〜混合潤滑特性
 (3).混合〜流体潤滑特性
 (4).弾性流体潤滑特性とトラクション特性

9.潤滑油の粘度および粘度分類、粘度特性 −基本中の基本特性−
 (1).粘度とは −ニュートンの粘性法則と粘生理論−
 (2).潤滑油粘度と粘度計算式
   a.粘度-温度特性を表す式:ASTM-Walther 式(JIS採用式)
   b.任意温度での粘度計算方法(式)
 (3).潤滑油の粘度−温度特性を表す尺度と基油よる特性の違い
   a.ASTM-Walther式(JISの粘度-温度特性mo)
   b.粘度指数(Viscosity Index, VI)とは
   c.各種潤滑油基油の粘度-温度特性比較
 (4).混合油の粘度と計算方法
   a.混合油の粘度を計算する式
   b.混合粘度の具体例
 (5).高圧粘度とその計算式
   a.各種潤滑油の高圧粘度の比較
   b.測定容易な物性(粘度,密度,分子量)による高圧粘度予測式
   c.各種潤滑油の圧力-粘度係数の比較
 (6).せん断粘度特性

10.添加剤の種類とその作用、作用メカニズム、特性比較
 (1).添加剤の種類と作用効果
 (2).添加剤別の作用メカニズム、特性比較
   a.酸化防止剤
   b.摩耗防止剤、極圧剤
   c.清浄・分散剤
   d.粘度指数向上剤、増粘剤
   e.消泡剤

11.潤滑油の応用 −各種潤滑油の要求性能と実用性能の押さえどころ−
 (1).潤滑油の要求品質と対応技術の変遷(1960〜)
   a.工業用潤滑油
   b.自動車ガソリンエンジンオイル
 (2).潤滑油開発スキームとコンセプト −部分最適から全体最適へ−
 (3).設備機械用潤滑油
   a.軸受油
   b.圧縮機油
   c.油圧作動油
   d.歯車油
   e.工作機械油
   f.冷凍機油
   g.含油軸受油
 (4).輸送機械用潤滑油
   a.エンジン油 
   b.変速機油、他
 (5).合成油
   a.合成油が求められる使用条件と対象油種
   b.合成油の種類と特性の比較
   c.耐熱特性の比較
 (6).グリース

12.潤滑油の最適選定と潤滑管理・トラブル対策
 (1).潤滑油の選定プロセス
 (2).潤滑油の劣化因子と品質・性能への影響
 (3).潤滑油の劣化と使用限界、機械故障の関係
 (4).潤滑管理とトラブル対策
 (5).潤滑管理と更油

13.潤滑油が関係する環境問題とその改善
 (1).潤滑油が関係する環境問題とその改善
 (2).潤滑油の害性について

キーワード トライボロジー 摩擦 摩耗 潤滑 潤滑油 潤滑剤 摺動 
タグ カム表面改質機械機械要素構造物電子部品油・空圧
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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