排熱(廃熱)エネルギー技術の基礎と 最新技術および応用・事例

〜 排熱回収における省エネ技術、未利用熱の熱回収、熱電変換システムの設計、化学蓄熱・ケミカルヒートポンプによる熱回収 〜

排熱(廃熱)回収の研究開発に携わる講師陣が、排熱の基礎から熱回収、応用事例までを解説する講座

・排熱を効率よく回収し、上手に工業的利用へ応用するための技術が学べる特別講座!

講師の言葉

第1部

 省エネ手法の内、廃熱回収は利用が遅れている分野です。しかし一般に、燃焼、伝熱の計算等のなじみがないので、検討対象になりにくい実態となっています。
 本講座では、廃熱回収対策の抽出や計画に有用な基礎知識と事例を学んでいただきます。講師は、一貫製鉄所内を中心として省エネ対策を30年以上経験してきましたので、具体的かつ実践的で分かりやすい内容になっています。

第2部

 震災以降、排熱、低温熱、未利用熱の活用による施設、工場の省エネ対策を目指したい又は対策を行ったという声を多く聞くようになったが、実際の現場を視察させていただくと、根本的に熱をまだまだ、むやみに廃棄している現場が多く、お金をかけて地球を暖めているのではないか?と思われるほどプロセスの最適化からはほど遠い現場が多い。
 その多くが、熱交換を理解していない、または大昔の先輩のやり方をそのまま引き継いでいるということから、具体的にはどうしていいかわからないという現場もあるが、一方で、なにか製品を入れ替えれば省エネ完了!と思っておられる方も散見される。熱交換器の使い方、事例を理解することで儲かるプロセス=環境改善、温暖化防止を両立していただければと考えます。

第3部

 熱電変換システムは廃熱利用の一手段として期待され、特に自動車排熱用の熱電変換システムの開発は国内外で進められている。本講演では、先ず熱電変換の基礎について説明し、次に自動車用熱電変換システムの開発状況について公開文献から紹介する。またその設計手法を示す。さらに産業排熱用熱電変換システムの開発例として、焼結炉およびLNG気化器への適用について示す。

第4部

 各種廃熱を回収利用可能な化学蓄熱およびその発展システムであるケミカルヒートポンプによる自動車廃熱回収利用技術の実用化に向けての研究開発状況を紹介する。                      
 これまでの研究成果より、エンジン排熱のかなりの部分は化学蓄熱・ケミカルヒートポンプで回収可能であり、使用時にはほとんど他のエネルギーを使用することなく蓄えられた化学エネルギーのみで高温熱や冷熱を高効率に生成できることがわかった。   
 このように排熱回収を伴う熱エネルギーリサイクル有効利用システムを導入できれば、自動車の基本構造自体は大きく変更せずにエネルギー投入法を革新したシステム全体の省エネ化が可能である。

セミナー詳細

開催日時
  • 2016年01月20日(水) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・廃熱利用に関心のある企業の研究者・技術者の方 ・自動車の熱マネージメント関係者 ・工場の省エネを進めようとする企画、運転担当、保守担当者の方
予備知識 ・熱力学や伝熱学、反応工学の基礎があれば望ましいが、そうでなくても可能
修得知識 ・工場内の省エネ、廃熱回収テーマの抽出ができる ・熱の考え方、リサイクルのメリット、収益が上がる熱回収の実例 ・海外における自動車用熱電変換技術の開発動向 ・熱電変換モジュールの選定方法、使い方 ・熱電変換システムによる各種産業排熱の利用方法 ・化学蓄熱・ケミカルヒートポンプによる自動車排熱のリサイクル利用の実際の方法
プログラム

第1部 廃熱回収による省エネ技術とその事例

1. 廃熱回収と省エネ
  (1). エネルギー利用の概念と廃熱回収
  (2). 廃熱の回収利用の基準
  (3). 廃熱回収計画フロー
  (4). 主な廃熱源と温度条件
  (5). 経済的な廃熱回収ポイント
  (6). 廃熱回収の留意点

2. 燃料と蒸気の基礎
  (1). 燃料の燃焼特性
  (2). 燃焼計算と空気比の算出方法
  (3). 熱精算と燃焼効率の算出方法
  (4). 排ガス熱回収効果算出方法
  (5). 蒸気の性質
  (6). ボイラーの熱効率算出方法
  (7). 蒸気ドレンの回収効果算出方法

3.熱交換技術の基礎
  (1). 伝熱計算方法
  (2). 熱通過率の判断
  (3). 熱交換器の温度分布、温度差の判断
  (4). 温度効率の算出方法

4.廃熱回収設備の種類と実施事例
  (1). 排ガス熱回収装置
  (2). 排液熱回収装置
  (3). 自工程内での廃熱回収事例
       a. 工業炉の廃熱回収
       b. 排ガス熱回収と電力削減の両立
       c. 洗浄ラインの排温水熱利用
       d. ヒートポンプによる廃熱利用
  (4). 別工程での廃熱回収事例
       a.焼却炉の排ガス熱利用
       b.熱処理炉の排ガス熱利用
       c.脱臭炉の排ガス熱利用
  (5). 注目の廃熱回収設備
       a.リジェネバーナー
       b.ヒートポンプ

第2部 排熱エネルギー技術の基礎と儲かる熱回収現場事例
〜未利用エネルギーってなに?〜

1. 代表的な未利用熱の種類
  (1). 排汚水熱
  (2). 低温排ガス熱
  (3). 換気排熱

2. 熱利用の用途
  (1). 給水加熱各種
  (2). 給気加熱各種
  (3). 温度差チラー、温度差発電用途

3. 未利用熱利用の際の各種熱交換器形式
  (1). 高効率プレート式熱交換器を前提とした液/液条件
  (2). 汚れ、腐食による各種設計思想

4. 熱交換器の不具合事例
  (1). ステンレス熱交換器の孔食
  (2). プレート式熱交換器を利用した冷凍機周辺における不具合事例
  (3). 排気ガスの種類による材質選定の考え方

5. 未利用熱回収時の熱交換器メンテナンス
  (1). クーリングタワー水や、温泉排水等の汚れ対策
  (2). マルチサイクロンを活用した循環水中の汚れ回収事例
  (3). 排ガス腐食対策 

6. もうかる排熱回収、省エネ施工事例
  (1). 温泉排水熱回収+ボイラー給水加熱
  (2). 掘削しない地中熱利用、床暖房、床冷房
  (3). 換気排熱回収による大型病院の空調省エネ
  (4). その他、最新熱回収事例の紹介

第3部 自動車および産業排熱用熱電変換システムの設計とその適用

1. 熱電変換の基礎
  (1). 接触熱抵抗低減
  (2). 熱応力緩和
  (3). 気密ケース入りモジュール

2. 自動車排熱用熱電変換システム
  (1). 海外における自動車用熱電変換技術の開発動向 
      −自動車用熱電変換の国際会議(IAV2014, Berlin)などの公開情報より−
  (2). 各種モジュールの開発動向
       a. Mg2Si uni-legモジュールおよびMg2Si/MnSiモジュール
       b. Half-Heuslerモジュール
       c. Skutteruditeモジュール
  (3). 自動車マフラー用熱電変換システムの伝熱設計
       a. 欧米の走行モードに適した省エネ手段
       b. 熱電変換システムの設置位置と排ガス温度
       c. 対数平均温度差 
       d. モジュールの変換効率と出力
       e. システム全体の熱抵抗
       f. 期待される出力

3. 産業排熱用熱電変換システム
  (1). 粉末冶金焼結炉(輻射伝熱)での実証試験
  (2). LNG気化器(冷熱利用)用システムの開発接触熱抵抗低減

第4部 化学蓄熱・ケミカルヒートポンプによる自動車排熱の回収とその応用

1. エネルギーの3R有効利用         

2. 蓄熱によるエネルギー有効利用          

3. ヒートポンプによるエネルギー有効利用         

4. ケミカルヒートポンプの作動原理         

5. ケミカルヒートポンプ用反応材料         

6. ケミカルヒートポンプシステムの自動車関連研究開発状況        
  (1). エンジン廃熱蓄熱コールドスタート解消ケミカルヒートポンプシステム
  (2). 冷凍車両用廃熱蓄熱型冷熱生成ケミカルヒートポンプシステム
  (3). 電気自動車用温冷熱生成ケミカルヒートポンプシステム
  (4). 地域エネルギーリサイクル有効利用ケミカルヒートポンプコンテナシステム

7. 今後に向けて

キーワード 廃熱 排熱 廃熱源 温度 燃焼特性 排ガス熱回収 蒸気  ボイラー 熱効率 蒸気ドレン 熱交換 伝熱 熱通過率 熱交換器 工業炉 電力削減 洗浄 排温水熱 焼却炉 熱利用 熱処理炉 脱臭炉  リジェネバーナー  ヒートポンプ  排汚水熱 低温排ガス熱 換気排熱 給水加熱 温度差チラー クーリングタワー水 温泉排水 マルチサイクロン 地中熱 接触熱抵抗  気密ケース 熱電変換  変換効率 熱応力 化学蓄熱 ケミカルヒートポンプ
タグ 環境電気電気化学
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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