粘着と剥離のメカニズム・粘着剤の効果的活用と信頼性向上策

〜粘着の動力学、レオロジー特性と粘着剤・剥離剤の基礎、粘着物性の評価と分析技術〜

  • 粘着・剥離を学ぶ際に核となるレオロジーの観点から習得できる講座!
  • 粘着の動力学から粘着物性の評価や解析手法を学び、粘着性を求められる部品・商品の開発や機能性向上に活かそう!

講師の言葉

(第1部)
 粘着剤は、一般に粘性が非常に大きな流体あるいは柔らかい固体として分類され、力をかけると大きく変形するという特徴があります。また、粘着剤が機能するためには固体に接着する必要があります。したがって、粘着を理解するためには、濡れ性に関する界面化学と物質の変形性に関するレオロジーが重要となります。
 本セミナーでは、高分子を粘着剤のモデルとして、粘着の動力学をレオロジー物性と関連づけて理解するための基礎について説明します。

(第2部)
 粘着製品は“貼る”だけの機能ではなく「貼って剥がす」「貼って硬化させる(固める)」等、特殊な機能を有する製品が開発されています。この機能はポリアクリル酸エステルを主成分とする設計が多く、本講演ではこのアクリル系粘着剤の基本設計と特殊な粘着剤について紹介します。また、粘着剤の架橋反応および、ラマン分光、核磁気共鳴装置(NMR)、透過型電子顕微鏡(TEM)等、各分析機器を用いて解析したデータを紹介します。

セミナー詳細

開催日時
  • 2015年07月01日(水) 10:30 ~ 17:30
開催場所
カテゴリー 化学・環境・異物対策
受講対象者 ・粘着や粘着剤を専門にする技術者に限らず、塗料、印刷、医薬、食品、化粧品、電子材料、生物工学など、粘着性が重要な因子となる材料やプロセスにかかわる業種が対象となります。 ・製品、部品メーカーの研究、開発担当者、粘着材・剥離材にご関心のある方 ・光学部品、フィルム、電池、情報機器、筐体、パネル、住宅・建材、看板、ラベル、医療用品、雑貨類に携わる方
予備知識 ・理系高卒程度の知識があれば特別の予備知識は必要ありません。粘着で困ったという経験があればいっそう理解できると思います。
修得知識 ・粘着を濡れ、接着、変形、剥離、破棄の素過程に分割して把握するとともに、それらの挙動を材料の物性と関連づけて理解するコツが掴めるようになります。 ・粘着剤の機能および粘着剤に対する化学知識と分析知識について
プログラム

第1部

1. 粘着の動力学
  (1). 接着と粘着 
  (2). 濡れ性と界面化学
    a. 表面張力と表面エネルギー
    b. 固液界面における濡れと接触角
    c. Zismanプロットと臨界表面張力
    d. 表面の幾何学と濡れ性
  (3). 粘着・剥離の力学
    a. せん断流動と伸長流動
    b. キャビテーション

2. レオロジーの基礎
  (1). 粘度の定義
  (2). 非ニュートン流動
  (3). 粘弾性モデル
    a. マックスウェルモデルと応力緩和
    b. フォークトモデルと遅延弾性 
  (4). 動的粘弾性

3. 高分子液体とゲルのレオロジー
  (1). 高分子溶液の粘度挙動
    a. 高分子溶液の非ニュートン流動
    b. 高分子の分子量と粘度挙動との関係
  (2). 時間−温度換算則
    a. 高分子の分子運動とガラス転移
    b. 高分子の分子量と時間−温度換算則との関係
  (3). 高分子固体の構造と粘弾性
    a. ゴムの粘弾性
    b. ゲル化過程のレオロジー

4. 伸長流動破壊の実用測定と技術的応用
  (1). Capillary breakup法
    a. 測定原理
    b. せん断粘度と伸長粘度
    c. スクリーンインクの印刷適性評価
  (2). 工業的実用試験(タック測定)
    a. 測定原理
    b. 印刷への応用

第2部

1. 粘着剤・剥離剤の基礎知識
  (1). テープとラベル
  (2). 粘着剤の種類と分類(粘着剤とは)
  (3). アクリル系粘着剤とは
  (4). 粘着剤に用いるリビングラジカル重合
  (5). 架橋剤の反応性
  (6). 粘着付与樹脂および添加剤
  (7). アクリル系粘着剤の物理物性
  (8). 粘着剤厚みと粘着物性
  (9). 剥離剤の基礎と種類
  (10). 塗布方法と装置

2. 粘着物性の評価
  (1). タック(特殊プローブタック)
  (2). 保持力(微小せん断)

3. 粘着剤の分析技術
  (1). ラマン分光による移行性解析
  (2). 原子間力顕微鏡による表面解析
  (3). NMRによる架橋剤反応の解析
  (4). TEMによる粘着付与剤の分散状態

4. 特殊粘着剤の紹介と設計
  (1). 半導体用粘着製品
  (2). 導電性粘着剤

キーワード 粘着 レオロジー せん断流動 伸長流動 粘弾性モデル タック測定 粘着剤 剥離剤
タグ 化学レオロジー樹脂・フィルム薄膜光学
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
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