難燃化技術とその応用および難燃剤のブリードアウト対策

〜燃焼と難燃、難燃材料と難燃機構、構造設計や伝熱抑制による難燃化、難燃性向上例〜

  • 難燃化メカニズムを学び、難燃性技術を製品開発へ応用するための講座
  • 難燃メカニズムや各種難燃性付与技術を学び、難燃性向上や製品開発へ活かそう!

講師の言葉

(第1部)

 金属化合物やケイ素に代表される無機分子から成る難燃性素材について、これまでの動向から最新の研究まで紹介します。その中でも特に、近年進捗が目覚ましい異方的な形状を持つナノ無機層状化合物を成分とする有機−無機ハイブリッド型難燃材料創製について、講師がおこなってきた研究成果も交えて詳細に紹介します。
 一部のナノ無機層状化合物から成る難燃材料は、高い環境親和性(ハロゲン分子を含まない)・高い透明性(可視光領域で90%以上の光透過性)・高い柔軟性を発現し、新世代の難燃材料として有望視されています。

(第2部)

 高分子の燃焼メカニズム及び難燃化メカニズムをわかりやすく解説します。また、難燃化技術については、各種難燃剤の基礎的な難燃化反応、メカニズム及び難燃性向上例を詳細に解説します。
 研究例として、難燃PPに、フィラーであるタルク及びガラス繊維を添加した場合の難燃性への影響を解説します。また、難燃性が良好となる難燃剤とフィラーの最適配置をサンドイッチ成形の例により解説します。

セミナー詳細

開催日時
  • 2015年08月21日(金) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 加工・接着接合・材料化学・環境・異物対策
受講対象者 ・セットメーカー部材開発者 ・樹脂メーカー材料開発者 ・添加剤メーカー材料開発者 ・各種分野への難燃素材利用を検討している技術者 ・有機−無機複合素材における更なる機能性(高付加価値)付与を必要としている技術者 ・環境にやさしい難燃素材が必要な技術者
予備知識 ・特に必要ありません。基礎からわかりやすく解説します
修得知識 ・難燃の基礎とその応用 ・無機素材の複合による有機材料への難燃性付与についての基礎的知見
プログラム

(第1部)

1.はじめに
 (1).難燃フィラーの要求特性
 (2).難燃化技術における無機分子使用の位置づけ

2.無機分子複合による有機材料への難燃性付与
 (1).水和金属化合物複合による難燃性付与
   a.水和金属系難燃剤の種類
   b.水和金属化合物複合物の熱分解特性
   c.水和金属化合物複合物のガス発生特性
   d.水和金属化合物複合物による難燃性付与の課題 
 (2).金属以外の無機分子 (Si等) 複合による難燃性付与
   a.異方形状無機化合物複合による高分子材料の難燃機構
   b.異方形状無機化合物複合による高分子材料の難燃化 –具体例
 (3).反応性難燃材複合による有機分子への無機分子複合
   a.無機化合物と他元素の相乗効果/反応を利用した難燃化
   b.反応性難燃材/無機充填剤によるナイロンの難燃化

3.分子間相互作用を利用した無機分子複合による有機材料の難燃化
 (1).有機材料の高難燃化を目指した無機微粒子分散技術
   a.金属化合物分散による難燃性向上
   b.難燃材の微粒子化技術・分散化技術による高性能化
 (2).ナノコンポジットの難燃性材料としての利用
 (3).非共有結合による有機分子 – ナノ層状無機化合物コンポジットの創製
   a.イオン性相互作用による層状無機分子−有機高分子の複合
   b.疎水性相互作用による層状無機分子−有機高分子の複合

4.共有結合を介した複合による透明/柔軟な環境親和性難燃ハイブリッドフィルム
 (1).ナノ層状無機化合物ラポナイトと有機分子の複合によるハイブリッド材料
   a.ナノ層状無機円盤ラポナイト
   b.無機円盤ラポナイトと有機分子によるハイブリッド
 (2).ゾル-ゲル法を通じたラポナイト – 有機分子複合材料
   a.高難燃性円盤状無機物−有機物複合素材 −生体の例
   b.クレイ−有機高分子複合フィルム作成例
   c.ラポナイト側面シラノール基への有機高分子修飾
 (3).ラポナイトとポリエチレングリコール(PEG)の複合による透明/柔軟な難燃性ハイブリッド
   a.ゾル―ゲル法によるラポナイト-PEG複合フィルムの合成
   b.ゾル―ゲル法によるラポナイト-PEG複合フィルムの物性評価
   c.ゾル―ゲル法によるラポナイト-PEG複合フィルムの難燃性評価

5.総括

(第2部)

1.難燃材料が必要とされる背景
 
(1).背景
 (2).難燃性評価方法

2.燃焼の化学
 
(1).ろうそくの燃焼機構
 (2).高分子の燃焼機構

3.難燃の化学
 
(1).難燃化するには
   a.難燃化機構について
 (2).難燃化技術
   a.高分子の構造設計による難燃化
   b.高分子の構造と難燃性の関係
 (3).酸化反応場での燃焼反応の抑制による難燃化
   a.臭素系難燃剤/酸化アンチモン系難燃システム
 (4).固相及び気相の冷却による難燃化
   a.金属水酸化物(吸熱剤)系難燃システム
 (5).材料表面・内部への伝熱抑制による難燃化
   a.リン系難燃システム

4.高分子複合材料の難燃化
 
(1).難燃PPの難燃性に及ぼすフィラー添加の影響
   a.タルクの添加量及び粒子径の難燃性に及ぼす影響
 (2).難燃PPの難燃性に及ぼすガラス繊維長の影響
   a.ガラス長繊維とガラス短繊維の場合の難燃性比較
 (3).難燃PPサンドイッチ射出成形品の燃焼特性
   a.サンドイッチ成形による難燃剤と無機フィラー(タルク)の最適配置

5.難燃剤のブリードアウト対策
 
(1).ハロゲン系難燃剤のブリードアウト現象と対策
   a.ブリードアウト現象(化学構造とブリードアウト性の関係)
   b.難燃剤のブルーミング対策 −第3成分の添加−
 (2).ノンハロ系難燃剤のブリードアウト現象と対策
   a.ブリードアウト現象:分解反応、成形品の変色、抵抗値低下
   b.対策事例:結晶系、被覆材、難燃助剤、第3成分などの検討事例

キーワード 難燃 燃焼 難燃材料 臭素系難燃剤 酸化アンチモン系難燃システム フィラー 難燃PP  ブリードアウト ブルーミング
タグ 化学化学工学化学物質環境高分子材料樹脂・フィルム接着・溶着電気化学
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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