エンジンにおける高効率化燃焼技術とその応用・例

〜エンジンの高効率化と次世代燃焼技術、摩擦損失低減技術、廃熱回収による熱効率向上技術〜 

・エンジン熱効率研究の最前線で活躍する複数の講師陣が、基礎から最新技術までを解説する特別講座!
・エンジン高効率化の理論と次世代エンジン技術との関係を基礎からわかりやすく解説!
・トライボロジーによる摩擦損失低減技術、廃熱回収技術を理解し、エンジンの更なる高効率燃焼を実現しよう!

講師の言葉

第1部

 次世代エンジンのキーテクノロジーとして、いくつものコンセプトが提案されています。「高圧縮比化、リーンバーン、排ガス再循環(EGR)、筒内直噴、過給ダウンサイジング、ダウンスピーディング、レスシリンダー、高膨張比(アトキンソン、ミラー)サイクル、可変動弁技術、LSPIとスーパーノック、遮熱、HCCI、PCCI、RCCI…」 など、混乱してしまうほど多くの技術があります。
 これらの技術が注目されているには、根本的な理由があります。それを理解すれば、上記の技術をすんなり納得できるはずです。また、理由を知っていれば、次の技術の創生にも役立つはずです。
 本セミナーは、エンジン熱効率を支配する因子を理解することで、次世代エンジン技術がなぜ有望なのかを「理屈から」理解することを目的としています。エンジン高効率化の理論と、次世代エンジン技術との関係を、基礎から説明します。

第2部

 エンジンの一層の熱効率の向上のために、ピストン系や軸受系に代表される摺動面への新技術の導入による摩擦損失低減が進められると共に、エンジンの摩擦及び摩耗を予測するシミュレーション及びその検証技術が重要になっています。
 ここでは、エンジントライボロジーの基礎について解説するとともに、エンジンの潤滑状態や摩擦・摩耗を定量的に把握する様々な計測技術の紹介、及びエンジンの要素部品に対する摩擦・摩耗・潤滑に関わる技術の最近の動向について紹介します。

第3部

 エンジンからの廃熱の特性ならびにその回収利用による車両効率向上技術について概説したうえで、エンジン排気熱を利用した燃料改質により化学的な廃熱回収と燃料着火性の制御を同時に可能とすることで高効率のHCCI燃焼を実現するシステムの研究例について詳しく紹介します。

セミナー詳細

開催日時
  • 2015年03月04日(水) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・乗用車をはじめとした自動車、二輪車、建機・農機などのエンジンおよび部品の開発技術者、研究開発マネージャーの方 ・船舶、航空機エンジン等の研究開発に関わる方 ・ターボチャージャーやパワートレイン、発動機、発電機の研究、開発、設計等に関わる方 ・エンジン部品の摩擦摩耗低減に関わる方 ・ガソリン、軽油、エンジンオイルおよび添加剤、潤滑剤などの研究開発に関わる方 ・エンジンの高効率化技術とそのしくみ(なぜ高効率になるのか?)に興味をお持ちの方
予備知識 ・特に必要ありませんが、エンジンの基本的なしくみ(動作原理)の知識があると理解が深まります
修得知識 ・エンジンの熱効率が、何によって支配されているかが理解できる ・どうすれば熱効率が向上するかが分かる ・高効率化のための有望なキーテクノロジーは何かを考察できる ・エンジン潤滑・摩擦・摩耗の基本メカニズム(トライボロジーの基礎)とエンジンでの実現象を計測する手法 ・エンジンからの廃熱の特性ならびにその回収利用による車両効率向上技術についての概要 ・廃熱回収とHCCI燃焼を組合せた高効率エンジンシステムの研究例
プログラム

第1部 エンジンの高効率化メカニズムと次世代燃焼技術 (10:30〜12:30)

1.各種自動車用動力源の比較

2.エンジンの高効率化
  (1). エンジンの熱力学
  (2). エンジン熱効率の支配因子
    a. エンジン性能を表現する基本用語説明
    b. 理論熱効率の向上法
    c. 各種損失とその低減法
  (3). エンジンの高効率化技術
    a. リーンバーンエンジン
    b. 筒内成層直噴エンジン
    c. 直噴過給ダウンサイジングエンジン
    d. 可変動弁技術
    e. 高圧縮比エンジン

3.高効率エンジンのための次世代燃焼技術
  (1). ガソリンエンジンの異常燃焼
    a. ノッキング
    b. 過給エンジンのプレイグニッション
  (2). 予混合圧縮着火(HCCI)燃焼
    a. HCCI燃焼の利点と課題
    b. HCCI機関の特性
    c. HCCI機関の燃焼メカニズム

第2部 エンジンの熱効率向上のための摩擦・摩耗低減技術 (13:20〜15:20)

1. エンジンのトライボロジーに関する基本現象
  (1). 摩擦の基本メカニズム
  (2). 摩耗の基本メカニズム
  (3). 潤滑油の種類と役割
  (4). エンジンのしゅう動面の特性
  (5). 焼き付き

2.エンジンで起こるトライボロジー現象とこれを “はかる” 技術
  (1). ピストン・ピストンリングーシリンダ系
     a.ピストンの挙動・潤滑とその計測
     b. ピストンリングの挙動・潤滑とその計測
     c. ピストンピンの潤滑・荷重分配とその計測
     d. シリンダーのしゅう動面性状と変形
  (2). クランクー軸受系
     a. クランクジャーナル部の挙動とその計測
     b. 滑り軸受の潤滑・油膜形成とその計測
  (3). 摩擦損失の計測とその評価法
  (4). 摩耗量の計測

3.高効率エンジンのための摩擦損失低減技術
  (1). 油膜をつくる-流体潤滑での損失低減技術
  (2). 油膜がきれる-混合・境界潤滑域での摩擦・摩耗低減技術
  (3). 固体潤滑剤及びテクスチャリング

第3部 エンジンからの廃熱回収による熱効率向上技術 (15:30〜17:30)

1. エンジンの熱バランスと廃熱の特性
  (1). エンジンの熱効率と熱バランスの基礎
  (2). エンジンの運転条件と廃熱の関係
  (3). エンジン廃熱を能動的に制御する手法の例

2. 自動車における廃熱利用技術の概説
  (1). 回生ブレーキによるエネルギー回収
  (2). 熱機関サイクルによる廃熱回収
  (3). 熱電変換技術による廃熱回収
  (4). 蓄熱および熱の形態での利用
  (5). 化学的な廃熱回収

3. 排気熱を利用した燃料改質による化学的な廃熱回収の例
  (1). 炭化水素やアルコールの改質による水素生成と反応熱
  (2). 予混合圧縮着火(HCCI)燃焼の利点と課題
  (3). メタノール改質による水素とDMEの生成と排気熱回収
  (4). 水素とDMEを用いたHCCI燃焼エンジンの着火制御
  (5). 燃料改質による排気熱回収とHCCIによるエンジン効率向上による高い総合効率

キーワード エンジン 熱力学 熱効率 筒内成層直噴 筒内成層直噴エンジン 直噴過給ダウンサイジングエンジン 可変動弁技術 高圧縮比エンジン ノッキング 過給エンジンのプレイグニッション 予混合圧縮着火 HCCI  トライボロジー ピストン ピストンリング クランクジャーナル 摩擦損失 固体潤滑剤 テクスチャリング  エンジン廃熱 熱電変換 回生ブレーキ 排気熱回収 
タグ トライボロジー機械自動車・輸送機
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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