1.積層セラミックコンデンサ(MLCC)の基礎
・セラミック、コンデンサ、MLCCの基礎知識
(1).セラミックスの基礎
・焼結現象 結晶構造、粒界 粒成長 平衡状態図 全率固溶 共晶系、包晶系 液相生成
(2).コンデンサの種類
・アルミ電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、セラミックコンデンサ
(3).インピーダンス素子としてのコンデンサ
a.周波数特性、インピーダンス、ESR、ESL、デカップリング
(4).MLCCの概要
a.高誘電率系、温度補償系、温度係数
(5).Ni内部電極MLCC
2.BaTi03(BT)誘電体セラミックスの基礎
・MLCCの小型・大容量化に直結するBT粉末の微細化、BT誘電体の強誘電性基礎知識、BT原料粉末の製造、BT誘電体セラミックス組成設計にかかわる技術ポイントを解説
(1).BTの強誘電性
a.結晶構造、相転移、自発分極、ドメイン、ヒステリシス、バイアス特性
(2).BTのサイズ効果
(3).微粒BT粉末の合成
・固相法、シュウ酸法、水熱合成法、加水分解法、c/a軸比
(4).BT誘電体原料の組成
・アクセプター元素、ドナー元素、添加元素、分散性
(5).BT誘電体セラミックスの構造
・コアシェル構造、非コアシェル構造、不均一歪、粒成長抑制、温度特性
3.Ni内部電極MLCC対応のBT材料設計
・Niが酸化しない雰囲気でBT材料を焼成した場合に起こる現象、特に酸素空孔の生成による長期信頼性への悪影響を制御するための材料設計指針を解説します
(1).酸化、還元の熱力学
・平衡酸素分圧、化学平衡、ギブス生成自由エネルギー、エリンガム図
(2).BTの酸素空孔生成
a.格子欠陥、酸素空孔、欠陥反応式Brouwer図
(3).BTの酸素空孔生成の制御
a.アクセプター元素、 サイト、化学量論比、異種元素置換
(4).BTの酸素空孔移動の制御
・ドナー元素、欠陥の会合、信頼性
(5).粒界の役割
・粒界の構造、酸素空孔の拡散、元素の偏析、粒界の数
4.BTセラミックスの長期信頼性にかかわる要因解析
・MLCCは10年、20年使用されても故障しないのが前提ですが、BTセラミックスでは、特に高温、高電界下での長期間の使用では、酸素空孔に移動による材料劣化が生じることが知られています。高温、高電界下での電気伝導および材料劣化における現象を基礎的な原理から解説し、長期信頼性をどのように設計しているかを説明します
(1).低電界での電気伝導
a.電子性電気伝導、バンド伝導、オーム則、バンドギャップ、ホッピング伝導
(2).高電界での電気伝導
a.チャイルド則、空間電荷制限電流、プールフレンケル放出電流、ショットキ-放出電流
(3).材料劣化と酸素空孔移動の分析例
a.機器分析、シミュレーション
(4).MLCCの摩耗故障と加速性
a.アレニウスプロット、ワイブルプロット、加速評価、温度加速、電圧加速
5.MLCCの製造プロセス技術
・MLCCの長期信頼性を確保するに際し重要な製造プロセス工程があります。ここでは、いくつかの重要な工程の基礎的な製造プロセス技術を紹介し、ど のような技術的な観点で、プロセス技術開発が進められているかを、解説していきます
(1).製造工程の概要
(2).シート成形工程、主にスラリー組成の設計およびスラリーの分散性
⊡⊡ ・バインダー、分散剤、可塑剤、乾燥収縮、PVC
(3).内部電極工程、主にその焼結性
・Ni微粉末、Niペースト組成、収縮挙動、共素地、Ni組成
(4).MLCCの焼成工程、主に焼成雰囲気制御とBT酸素空孔制御
・バインダーの熱分解、雰囲気制御、残留炭素、アニール、ホール生成
(5).MLCCの信頼性
・機械的強度、割れ、デラミ、試験項目、初期故障、摩耗故障
(6).故障解析
・非破壊故障解析、破壊故障解析、DPA、マイクロプロービング、電解剥離
6.MLCCの技術動向
・近年、MLCCの需要は大幅に増加しています。最近のMLCCの技術の方向性を解説します
(1).小型、大容量化
(2).IoT、5Gへの対応、低ESR化、低ESL化
・5G化の動向、LW逆転、3端子、多端子
(3).車載に向けた高圧、高温化
・市場動向、車載規格(AEC-Q200)、信頼性データ、中高圧設計、高温対策
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