機械振動の基礎とトラブルシューティングおよび振動対策

~ 振動と異常振動、振動・共振・減衰・加振力、回転機械の振動、減衰の種類、トラブルシューティング、防振・制振対策技術と事例 ~

・的確に異常振動を見極め、「低振動化」、「静穏化」に結びつけてトラブルの未然防止対策に活かすための講座
・機械振動の基礎理論と制御技術を修得し、振動制御や異常振動問題の解決に活かそう! 

講師の言葉

 可動部が存在する機器および機械設備ばかりでなく静的構造物にも何らかの振動が生じている。
 機械および機械設備に生じる振動は物理的に無くすことは不可能で、許容範囲に収めることが振動制御となる。既存の機器・設備振動を評価する場合、正常時の振動と異常時の振動を比較検討して評価することが多い。
 通常時の振動を許容基準として異常時の振動を比較評価している。心身における振動の感知並びに評価は個人差や鍛錬により大きく異なる。
 振動を感じる触覚は五感のひとつでもあり、環境の場などでは好き嫌いの評価にも使われる。一方機械から振動を評価すると、機器設備に不具合が発生しない範囲が正常な状態とする事が多い。これら2つの評価は評価基準が全く異なっており、一致するものではないが、最近の環境問題を考慮するとしばしば共存する評価となる場合もある。
 振動の評価は様々存在する。腕時計の振動程度の小さな振動から地震による巨大振動まで、非常に広範囲の振動が扱われている。通常の振動でも、異常現象が生じると、巨大構造物をも破壊することが起こる。この様に振動に対する許容範囲は様々あり、一概に決められない。
 機械設計では、小型・軽量化、高性能、低環境負荷、低価格を設計テーマとし、最適設計や限界設計が行われているが、これらの設計テーマは振動の制御に直結しており、振動低減化が騒音低減にも大きく寄与する。更に、機械振動は機械の経年変化により、一般に振動は増加する。この現象を利用して機器および機械設備の危機管理および、安全性の確保の指標に利用しているケースもある。技術者が振動の本質をよく理解した上で、保守点検や改善に利用することは有用である。
 本講座では、振動の基礎理論を習得し、実振動問題を観察、計測して、振動現象を理解できる力を養って貰う事、更には、振動の計測やモニタリングを行い、的確に異常振動現象を見極め、「 トラブルシューティング」や「低振動化」、「静穏化技術」に結びつく技術を習得していただければ幸いである。

セミナー詳細

開催日時
  • 2019年02月04日(月) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・各種機械・設備の設計、機器・設備メンテナンス、トラブルシューティング等の業務に携わっている技術者または携わろうとしている方
・機械および機械設備振動の基礎、応用面に興味を持っている技術者の方
・機械・機械設備振動の計測技術および振動制御技術を修得したい方
予備知識 ・機械工学や物理学の基礎知識があればより理解が進みます
修得知識 ・機械振動の基礎理論について
・機器・機械設備に発生する異常振動現象を見極める知識、的確な調査・計測計画の立案、および、実行できる基礎知識の修得機器・機械設備に発生する異常振動現象を見極める知識
・異常振動問題を解決するためのトラブルシューティング
・振動計測技術と振動計測計画の立案
プログラム

1.振動と異常振動の区別はあるのか?
  (1).異常振動と破壊
  (2).励振振動が大構造物を破壊する脅威

2.振動・共振・減衰・加振力
  (1).振動現象とは
  (2).強震とは
  (3).減衰とは
  (4).加振力(励振力)とは
  (5).防振とは
  (6).制振とは
  (7).振動と音の関係は

3.波動・振動の表現と励振について
  ・三角関数、回転ベクトル、複素ベクトルによる表現
  (1).振動の表現
     a.調和振動と振動の重ね合わせ
     b. 線形振動における運動方程式とエネルギー保存
     c.時間領域での表現
      ・振動変位、速度、加速度の物理単位とデシベル表示
      ・人間の感覚とdB表示 実効値
     d.周波数領域での表現 直交関数を用いた
      ・Fourier変換とFourier逆変換
     e.相平面表示
      ・不減衰一自由度系振動の相平面
      ・減衰一自由度系振動の相平面
   (2).単調和振動 (一自由度系振動
      ・一自由度系の自由振動と強制振動
      ・ 減衰の評価方法; 共振振幅、半値幅法、対数減衰率、による評価
      ・ その他の粘弾性の動的挙動
   (3).単調和励振(加振)と調和的でない励
      ・ステップ励振、ランプ励振、インパルス励振、調和スイープ励振

4. 振動の分析
  (1).キャンベル線図
  (2).Fourierスペクトル
      ・パワースペクトルと衝撃スペクトル
  (3).伝達関数とコヒーレンス
  (4).ボード線図とナイキスト線図

5. 減衰の種類について
  (1).いろいろな減衰の種類
     a.クーロン摩擦減衰
     b.粘性減衰
     c.速度2乗減衰
     d.内部減衰
     e.構造減衰

6. 固有振動数
  (1).単振動系の自由振動
     ・不減衰自由振動と固有振動数
     ・減衰自由振動と減衰固有振動数
  (2).単振動系の強制振動
     ・周期的外力による強制振動
  (3).共振
     ・不減衰振動系の共振
     ・減衰振動系の共振
  (4).多自由度系の振動

7.回転機械の振動
  (1).回転機械に発生する各種振動
  (2).軸の振動と危険速度
  (3).回転軸の不釣合い振動
  (4).剛性ロータの不釣合い、不釣合い、動不釣合い

8.振動の計測とトラブルシューティング
  (1).異常振動の調査、計測
  (2).計測機器と振動ピックアップ
  (3).FFT分析器(定差型)

9.振動対策対応例
  (1).防振・制振対策の理論と考え方
   ・機械設備振動の対応
  (2).振動吸
  (3).ダンピング技術

10. 遠心送風機の振動対策事例
  (1).遠心送風機に生じた旋回失速現象と振動対策
  (2).熱交換に生じた振動と振動対策

11.まとめと質疑応答

キーワード 振動 異常振動 防振 制振 回転機械振動 FFT分析 振動吸振器 振動対策
タグ 機械機械要素自動車・輸送機振動・騒音精密機器
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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