鉄鋼部材の熱処理歪みの発生メカニズムと防止・トラブル対策およびシミュレーションの応用

〜 熱処理の基礎と歪みの発生と対策、シミュレーションを活用した熱処理条件の最適化と応用例 〜

・鉄鋼材料の熱処理について、基礎から歪み防止、シミュレーション技術まで2名の講師陣が解説する講座

・熱処理による機械部品の歪みを未然に防ぎ、製品の高品質化を実現するためのセミナー!

講師の言葉

第1部

鋼部材の熱処理技術者にとって永遠の課題とも言える熱処理歪みは、熱処理後に初めて顕在化するが、その要因は熱処理工程だけでなく、材料成分や組織さらに鍛造や機械加工によって生じる残留応力などがある。

 本セミナーでは、鋼の熱処理原理はもちろん、鋼の製造法から、要求機能を満足する合金成分や熱処理前の加工の影響までの考え方を理解した上で、歪みの対策を考察する。自動車会社勤務時代の経験を中心に、主に浸炭歯車の歪みへ実際の取組みと対策を紹介する。また、最近の国内やドイツなどの研究開発動向も紹介する。

第2部

 熱処理を実施する前後に、シミュレーションによって熱処理条件の設定および熱処理効果の予測を行うことは重要であるが、シミュレーションを行うためには、単にシミュレーションコードの使用手順を熟練するだけではなく、理論と解析手法の理解が不可欠である。

 本講義は、熱処理シミュレーションの基礎とする変態・熱・力学の理論を解説し、さらに有限要素法の定式化に基づくシミュレーションの基礎を説明する。とくに、非弾性構成式によって熱処理変形および残留応力の解析法、浸炭・窒化の拡散解析および相変態のカイネティクスを重点的に紹介する。

 また、本講座の第2部として、幾つかの解析例を掲載しているので、シミュレーション例を参考することによってさらに基礎知識の理解に寄与できれば幸いである。

セミナー詳細

開催日時
  • 2017年11月06日(月) 10:00 ~ 17:00
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 加工・接着接合・材料
受講対象者 ・輸送機器・各種機械、工具の設計開発、製造・生産技術、プラント・設備の設計、製造、生産技術、品質保証、信頼性評価などに関わる方 ・金属材料の研究開発に関わる方、熱処理技術・表面処理技術に関心のある方
予備知識 ・鉄-炭素の平衡状態図や金属組織の見方程度の基礎知識があればベター
修得知識 ・熱処理歪みが発生した場合の考えられる要因とその対策の考え方 ・熱処理シミュレーション技術と応用例と最新の研究事例
プログラム

第1部 鉄鋼部材の熱処理歪みの発生メカニズムとその防止技術・トラブル対策

1.鉄鋼材料およびその熱処理の基礎

  (1). 鋼の製造工程

  (2). 熱処理の原理

2.熱処理歪み

  (1). 鋼部材の要求機能と成分設計の考え方

  (2). 熱処理歪みの種類

  (3). 熱処理歪みの発生要因

3.取組や対策の現状

  (1). オーステンパー処理

  (2). ソルト焼入れ・改良マルクエンチ処理

  (3). プレスクエンチ・プラグクエンチ

  (4). 浸炭窒化/窒化/高周波加熱焼入れ処理

4.今後期待される取組みや対策

  (1). 計算機シミュレーション

      a. 浸炭および焼入れプロセスのシミュレーション

      b. シミュレーションによる歪み発生要因の解明

      c. シミュレーションを活用した熱処理条件の最適化

  (2). 加圧ガス焼入れ

  (3). 最近の研究事例

第2部 熱処理シミュレーションの基礎とその応用技術

1. 熱処理シミュレーションの開発背景

2. 熱処理の連成現象に関する変態・熱・力学理論

  (1). 混合体の概念と混合則

  (2). 熱伝導方程式

  (3). 拡散方程式

  (4). 相変態のカイネティックス

  (5). 熱処理における連成現象

3 熱弾塑性構成式

  (1). 弾塑性力学の基礎知識

  (2). 弾塑性構成式

  (3). 相変態を考慮した熱弾塑性構成式

4.有限要素法による連成解析の定式化

  (1). 熱伝導解析と拡散解析の有限要素法

  (2). 弾塑性解析の有限要素法

  (3). 連成解析のアルゴリズム

5. 熱処理シミュレーションの現状と応用例

  (1). 熱処理シミュレーションの現状と市販CAEコード

  (2). COSMAPの解析機能

  (3). COSMAPを用いる熱処理シミュレーション応用例

キーワード 熱処理歪み オーステンパー処理 ソルト焼入れ 改良マルクエンチ処理 プレスクエンチ プラグクエンチ 浸炭窒化 窒化 高周波加熱焼入れ 熱処理シミュレーション 熱弾塑性構成式
タグ 金属金属材料熱処理表面改質
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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